ハッチを可動にするという事は、それだけリスクを背負うことなんですよ。

さあ、がらんどうの戦闘室内部のデコレーションを始めましょう。
まずは手始めに戦闘室左右の装甲と、戦闘室後部のハッチのヒンジを止めるボルトを表現する為の材料です。
側面装甲板内側には0.3mm厚のプラ板を張り、天井付近はエバーグリーンのプラ棒を使用。波型の表現には彫刻刀を使用。
等間隔で切ります。
さて、この葛の塊のようなものは何かと申しますと、ワークから発売しております「型思い」という商品。
熱湯で軟らかくした後、肩を取りたい部分に押しつけて水で冷やして出来上がり。
シリコンゴムで型取りするよりはるかに作業効率が良いです。
しかもこの型は熱湯に入れれば何度でも軟らかくなり、再利用が可能な点。
コストパフォーマンスもとても良いです。
で、何を型取ったのかと言いますと、エンジン点検ハッチの車体側のヒンジ。
位置的に、キットのヒンジに穴をあけることが出来ないため、今回型思いで型取りし、タミヤエポキシパテを型に押し込み複製しました。
ポリパテで複製すると、強度的にもろいと思い、とは言ってこの程度のサイズにわざわざキャストは勿体ないので、粘りがあり、可動部分としても割れにくそうなエポキシパテを選びました。
さて、キットのエンジン点検ハッチとそのカバーは内側でパーツをはめる凸部分と凹部分があるので、その部分をリューターで削り落します。
点検ハッチにはカバー取り付け用と思われる6か所のビス穴が存在しているので、後で0.5mmのピンバイスでモールドを追加します。
複製したヒンジを整形して合わせてみたところ。
穴の開ける位置を若干ずらしてしまい、後でヒンジの調整に時間がかかってしまいました。
車体側のヒンジをリューターで削ったところ。
複製したヒンジを瞬間接着剤で軽く仮止めし、ハッチを外した後しっかり接着して完成。
ハッチを稼働にしたという事は、当然この中も作らないといけない使命を帯びたというわけです。
だんだん深みにはまってきましたよ。
車体中央にベース固定用のボルトを固定。
ここはもう二度と修復出来ませんので、しっかり固定します。
締め切りが近くなったので作業工程はちょっと省きましたが、128mm砲の砲手用座席をプラ板で作成。
モーターブーフなど手持ちの資料の内部図面などを参考にそれらしく製作。
砲手はハンドルの軸をまたにはさむような格好で座るようで、大体こんな感じかな?というまさにデッチアップ状態。
シートの形状とシートがどのように固定されているかは手持ちの資料でははっきり見れなかったためここは資料性価値はありません(ダメジャン)
資料ではこのアングルばかりな為、大体位置を似せてみました。
砲尾の中ががらんどうだったので、エポキシパテを用いて中身を肉付けしてみました。
砲手は座席に座るには、背もたれが邪魔。
という事で実写同様背もたれは折り曲げるようヒンジは可動にしました。
しかしこのあと戦闘室上部をしっかり接着固定するのに、このギミックはあまり意味がなかったかもしれないというまさに自己満足の世界。